H29年度セミナー詳細

平成29年10月18日に長浜バイオ大学において、「企業の地球温暖化長期戦略と新たなビジネス展開」をテーマとして、キリン株式会社　林田昌也氏ならびに積水ハウス株式会社　近田智也氏にご講演いただきました。 講演後、仁連孝昭滋賀県立大学名誉教授から、講演を総括する講評をいただきました。

日時：平成29年10月18日（水）13：30～15：30

会場：長浜バイオ大学　命北館4階　中講義室6

　キリングループは長期構想の中で、社会課題への取り組みを通じた価値創造を企業戦略のひとつとし、事業に関連する「健康」・「地域社会」・「環境」の３分野での取り組みを行っている。 「環境」については、2013年に2050年を目標年とした「キリングループ長期環境ビジョン」を策定し、「水資源」「容器包装」「生物資源」「地球温暖化」の各部門で取り組んでいく。 地球温暖化に関しては、SBT(Science Based Targets)として承認された中期目標に向け、バリューチェーン全体での削減を行っていく。

　出席者からは、SBTを設定していくためには、どのようなことに注意すべきかという質問があり、中心となる人材に、適した人がいることが重要であると回答されました。

　積水ハウスでは、環境戦略を事業と一体のものと考え、1999年に環境を経営の基礎とする「環境未来計画」を立て、2008年には「2050年ビジョン」を発表し、 2050年までに住まいをライフサイクルでCO2ゼロにする“脱炭素”を宣言した。そのための主力商品として、 一棟ごとにゼロエネルギー住宅（ZEH）であることを確認するグリーンファーストゼロを2013年から販売した。 2016年には、販売した住宅の74％がZEHとなった。環境への取り組みだけでなく、「健康・快適・安心・安全」な住まいを提供することが重要と考えている。

　講演後、仁連孝昭滋賀県立大学名誉教授から、総括として、講演いただいた2社の先進的な取り組みに共通しているのは、社会課題に意欲的に取り組んでいること、自社の商品やサービス、そして各企業自身が大きく転換するとともに、自社だけでなく、バリューチェーン全体を視野に入れて取り組んでいることであり、これからの企業の在り方を考える大きな方向性と思うというコメントをいただいた 。

本セミナーには、70名を超す皆様方に参加いただきました。