温暖化防止出前講座

2024.02.16

エネルギーのもと・ 「火」の歴史を体験

 

ねらい

①昔の人たちは火作りに苦労したこと、生きるために工夫したことを学ぶ
②エネルギーの元である火に親しみ、火を扱うことの大切さを学ぶ

 

概要

受講者数:10~40人
所要時間:45~60分
講座形式:屋内+屋外 型

対 象 者:小学3年以上
使用するもの:舞ギリ式火おこし器(小・中型 5台~10台、大型 1台)、摩擦式火おこし器 4種類、火打石 1式、マッチ・ライター 各1個、麻わた、茶こし、バケツ(+水)

 

進行プログラム(所要時間)

活動1:火と火おこしの歴史を説明(屋内又は屋外 10分)
11)人間は火を使うことができる唯一の動物 
 以下についてパネル又はパワーポイントで説明を聞き、理解する
 ・古代人は50万年~100万年前から火を使いだした
 ・山火事など自然の火を取ってきて大切に保存していた
 ・火は次第に古代人が生きるために不可欠ものになった
2)なぜ、古代の人は火がなくてはならないものになったのか
 ・古代人の生活に火が必要となった理由(4つ)を考えてみよう
 (明かり、暖かく、食べ物の焼・煮、けものよけ)  
3)自然の火の利用から、自らの手で発火させる方法を発明し、長年の間に工夫を重ね、火作り(火おこし)が進歩した
 *ここで、屋外に移動する


(写真1)古代人の生活

活動2:昔の火おこしと今との違いを体験(屋外 10~20分)
昔の火おこしの種類と歴史および今の火作りについて、現物を見てそれらの方法の理解し、動かし方を体験する
1)摩擦式
 木と木、木と竹をこすり合わせると摩擦熱により炭の粉とその中に火種ができることを理解し、いろいろな方法が工夫され進歩したことを知る
 ・往復摩擦式:火溝式(写真2)
 ・回転摩擦式:もみギリ式、ひもギリ式、弓ギリ式、舞ギリ式(写真3)
2)火花式
 石と石、石と金属を打ち合せると火花ができ火種となる
 ・火打石式(写真4)                           
3)現在(主な発火法)
 ・マッチ、ライター

(写真2)火溝式

 


(写真3)回転摩擦式(4種類)-もみギリ式


(写真3)回転摩擦式(4種類)-ひもギリ式


(写真3)回転摩擦式(4種類)-弓ギリ式


(写真3)回転摩擦式(4種類)-舞ギリ式


(写真4)火打石

活動3:舞ギリ式火おこしの体験(屋外 20分)(写真5)
<火きり棒を回す>
1)火きり板の「火きり臼」に「火きり棒」をまっすぐに立てて差し込み、火きり弓を水平になるように持つ
2)火きり棒を回してひもを巻き付け、火きり弓を上に巻き上げる
3)上がった火きり弓を下に押し下げてはずみ車を回転させると、火きり弓が再び上に上がってくる(手で持ち上げない)
4)力の入れ具合を加減してスムーズに上下運動が続くようにする
5)最初はゆっくり、だんだん速く回すようにする(火きり棒のキリ先が常に火きり板の火きり臼に接しているように回すのがこつ)
6)やがて、焦げたにおいがして、煙が出てくる(煙が出る直前に回転が少し重くなるが、続ける)
 *屋内で行う場合は、ここで終了する

<火種をつくる>
*発火するまで行う場合は以下の作業を続ける      
1)段々と抵抗が増し、回転しにくくなるが、スピードを落とさず回し続ける
2)焦げた炭の粉が出始め、回転を続けると炭の中に火種ができる

<火種を麻わたに移す>
1)麻ひもをほぐした麻わたを(写真6)球形の茶こしに(写真
7)開いて、詰める
2)火種を麻わたの中央に移す

<発火>
1)茶こしを閉じ、上下に振り、煙が出たらひもで回転させる
2)煙が大きくなり、急に火がつくが、あわてず枯葉や紙などに火を移す
<注意>発火した炎や加熱した器具でやけどをしないように注意する

<火消し>
1)茶こしに残った燃えカスは、水の入った容器にすてて、火を消す


(写真5)舞ギリ式火おこし器

(写真6)火打石


(写真7)茶こし

活動4:まとめ(5分)
・火は人間にとってなくてはならない大事なエネルギーであることを感じ取る
・昔の人が苦労して火を作っていたこと、いろいろな方法を開発し発展させたことを知る

 

著作:「火おこし歴史編」作成プロジェクトチーム