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滋賀県地球温暖化防止活動推進センターだより

                VOL.34  [ 10 05  31 ]

 

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目 次

◎1 江守正多 氏 執筆
     『温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!』(日経エコロミー)のご紹介

◎2 出前講座、啓発、グループ会議  5月実績・6月予定( 531  時点 )

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  1 江守正多 氏 執筆
     温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!(日経エコロミー)のご紹介と当欄編者の寸評
( 江守正多(せいた): 国立環境研究所地球環境研究センター温暖化リスク評価研究室室長 )

ヒマラヤ氷河問題「2035年(誤)→2350年(正)」
査読に検証漏れした痛恨の間違い (編者の勝手な副題)

 江守正多氏は、市民に向けて地球温暖化についての科学的知見を、平易・親切な解説と、なおかつ第一線に立つの専門家としての矜持を保ちながら、日々提言しておられる著名な科学者です。氏が掲載されていた上記のサイトを、編者も毎月大変興味を持って拝読していたのですが、本年318日版でシリーズの一応の終了をされました。

 今までに全12回分中の8回までのサイトのアドレス紹介と、寸評

(実は要約・・いえ要約もままならず・・・)を付けて発信しています。18につきましては、 下記バックナンバー VOL . 3233に掲載しています。

http://www.ohmi.or.jp/ondanka/center/ML/032.htm

(前々号)

http://www.ohmi.or.jp/ondanka/center/ML/033.htm

(前号)

今回は10回目のサイトを中心にして触れます。

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(「9」については「10」の下に記しました。)

10  IPCC へ の さ ら な る 疑 問 に つ い て ・ ヒ マ ラ ヤ 氷 河 問 題と ク ラ イ メ ー ト ゲ ー ト  続々報  (10/01/27)

http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000025012010

 そもそも ヒマラヤ氷河についての誤記とは
 新聞(や世界中)で、ヒマラヤ氷河の問題(IPCC4次評価報告書、資料や数値が満載の3000ページにもなる中で下記の誤り)が時の「話題」になってしまいました。         

 第4次評価報告書第10章(アジア):下記サイトの447ページ  右欄10.6.2 ヒマラヤ氷河

 「ヒマラヤにある氷河は、世界のほかのどこよりも急速に後退しており、もし地球が現在の速度で温暖化し続け、現在の速度での後退が続けば、2035年までに、あるいはそれよりも早くそれらが消滅する可能性は非常に高い。」

http://www-cger.nies.go.jp/ipcc-ar4-wg2/pdf/IPCC_AR4_WG2_ch10.pdf

 文中  << 誤 2035年  正 2350年 >> です。

 ユネスコ国際水文計画の1996年の報告書からの引用でしたが、元の報告書に書かれていた年は2035年ではなく「2350年」となっている(事の経緯、詳細はもちろん当欄10のサイトを)

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 当 欄 の 結 論 (3)
 以下、長く触れていきますので編者の意見を先に記します。

(1) たまに見られる一部マスコミの論調のように上記の誤記を針小棒大にかき立て、報告書全体の信憑性をいぶかる例証に持ち出すのは、誤解、誹謗中傷以外の何ものでもない。

(2) しかし想像を絶する膨大な量の報告書中の査読ミスによるワンエラーといえど、それが発生した原因追及は必要である。(10 紹介欄の最下欄「 追 」参照)

  また、IPCCが誤記について認めた声明、

http://www.ipcc.ch/pdf/presentations/himalaya-statement-20january2010.pdf

 (全英文です。 残念ながら、編者は完璧に訳して読めていません。江守氏の論評を頼りに主旨を間接的に捉えています。)の姿勢は素直に受け止めたい。

(3) 一方で、声明中の「最近数10年間に広範に起こっている氷河の消失や積雪の減少が21世紀に加速し、多くの人口に対して水資源の減少等の影響を及ぼすというIPCCの統合報告書における結論」(引用:江守氏から)は揺るぎなく、全世界が共有したい貴重な科学的知見として今後も地球温暖化防止の核心としなければならない。

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では、江守氏のサイトの拾い読みから

 誤記は「査読」が機能しなかった?
 専門家であってもIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書を全部詳しく読んだ人は少ないと思います。3000ページもある報告書ですが、それにもかかわらず、多くの専門家、そして編者もIPCCの内容を深く信用しています。これには論文の「査読」というプロセスへの信用が大きく寄与しているのです。科学者も市民もそれを信じてデータ(数値)を信じ、紹介しているのです。

 査読とは
 ここで編者も江守氏の解説等を読み進めて「査読」をひもといておきます。

 研究者が研究結果を論文として学術雑誌に発表する際には、誤りや偏りを減らすために査読に次ぐ査読が行われます。報告書を作るにあたり、元の論文は査読を通過して研究論文となるわけです。査読者が論文を評価しチェックのコメント(意見)をつけます

 「少なくとも温暖化の科学に関する部分(第1作業部会)に関しては、すべての査読コメントとその1つ1つに対する執筆者の応答が、インターネット上に公開されています。つまり、これまでもIPCCは相当程度に自覚的に、評価の過程を透明にすることに努力し(略)そのせいかどうかはわかりませんが、主流に対して批判的な論文も、必要なものは引用されています。」(江守氏)

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 ヒマラヤ氷河の記述(誤記)に対するコメント(意見)はあった。

  しかも日本から! (残念! 編者感想)

 新聞にも取り上げられてきたヒマラヤの氷河の誤りは、第4次評価報告書第10章(アジア)に載った箇所です。報告書は約2000人を超す研究者や政府関係者がかかわってコメントがつけられ、そのコメントに作成者がきちんと対応したかについてもチェックされ、第4次評価報告書へのそういうコメントは3万件にも上ったそうです。(516日産経新聞配信サイトを参照しました。)

以下、江守氏の文章から引用

 初期の原稿には、問題の箇所には引用文献が示されていませんでした。これに対して、日本政府から「この章は全体的に引用文献が示されていない箇所が多い」「この(ヒマラヤ氷河の)箇所は非常に重要な記述であり、どれくらい確からしいかを示すこと」といったコメントが出ています。
(上記の日本関連の事項は実に 残 念 無 念 !  編者落書き )

(略)

 全部で3000ページもある報告書の中に1カ所、間違いが見つかったというだけですから、これによってIPCC 報 告 書 全 体 の 結 論 が 影 響 を 受 け る こ と は も ち ろ ん な い で し ょ う 。(略:半角スペースは編者の挿入)
 だからこそ、たまにそういうことがあっても、全体としては妥当な情報を集約できるような仕組みを作ることが重要になるのです。僕の評価では、IPCCではそのような仕組みが十分に機能していると思います(今回のようなことがあるので、完全に、とはいいませんが :この括弧内の文も江守氏)

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と、貼付の文ばかりですが、
 さて今回の誤記(ワンエラーですが)問題は、さすがに江守氏の後段の一筆はやや苦しげでした。編者は、今回の江守氏のサイトを換骨奪胎して別の所見を著そうとか、IPCCや江守氏の論を斜めから見ようとは全く意図しておりません。

(科学論文への査読の存在と、誤記が生じた歯がゆい感想を述べただけで紙面が尽きそうですので。)

 本欄の意図は、是非江守氏のサイトをご覧頂きたいということ(紹介)につきます。

 そこには、誤記の生じていった深い読みや現場への洞察とともに、氏は「一連の出来事を通じて、専門家の側も市民の側も成長することで、温暖化の科学をより適切に社会の意思決定に活かせるようになる」方途を模索しています。気鋭の科学者の真意は、「生原稿」を読むしか味わってもらえません。是非この10のサイトをご覧ください。

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追 (

 516日産経新聞配信(杉浦美香氏執筆)のサイトをご紹介しておきます。本コラムでは時間の都合上うまく絡めながら書けませんでした。

 誤記等に対する検証委員会が設立されたことや、今回の話題についてIPCCへの批判的かなとも思える見出しが付けられてはいるものの、IPCCに対して客観的な所感と、理解を寄せる見解が載せられているのではないかと編者は感じました。

http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100516/env1005161701002-n1.htm

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9   「クライメートゲート事件」続報・科学にとって「査読」とは何か (09/12/28)

http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000024122009

 「クライメートゲート事件」:英国イーストアングリア大学の研究者の電子メールなどがハッカー行為による結果、大量にインターネット上に流出し、その内容の一部が問題になりました。これが一部で「クライメートゲート事件」とよばれているものです。

下記の日経エコロミーのサイトで要点を辛辣に捉えた記事がご覧になれます。

http://eco.nikkei.co.jp/column/kanwaqdai/article.aspx?id=MMECzh000025112009

 その中の問題点の1つ、過去1000年の北半球の気温変化のグラフを描く際の核心となる専門家の言及、見解については、前号コラム(江守氏の8)の詳細をご覧ください。

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以下は、本欄の原稿(量)の都合で次号にコメント(蛇足)を付けながら再掲載します。先ずは、アドレスのみのご案内です。12は、溜飲が下がる痛快な論(少なくとも編者にとっては)が、展開されています。
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11  温暖化はやはり減速中?――原因は水蒸気か自然変動か(10/03/01)

http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000023022010

12  温暖化イメージ戦争の時代を生きる(10/03/18)

http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000016032010

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 出前講座、啓発、グループ会議  他  5月実績・6月予定 (531時点)

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 出前 ・ 啓発 

514 19:3021:00 環境保全美化推進地域ネットワーク総会 安土コミュニティー防災センター  近江八幡市 出前

523 9:0015:00 (株)日映志賀  木戸コミュニティセンター 大津市 出前・貸出

529 10:0011:30 さわやか環境推進員委嘱式近江八幡市文化会館 近江八幡市 出前

529 19:3021:30 守山ホタルパーク&ウォーク守山駅バスターミナル 守山市 啓発

530 19:3021:30 守山ホタルパーク&ウォーク守山駅バスターミナル 守山市 啓発

69 9:3011:00 地域学級 玉津公民館 守山市 出前

616 10:0011:30 新規推進員 実習・研修(大津合同庁舎 5E

622 14:3015:20 守山北中学校総合学習 守山市 出前

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黄色グループ(自主グループ)推進員会議

日 時 611日(金) 15時〜17時  場 所    野洲市役所 別館1F 会議室======================================

編集後記(愚痴・感想): 今回の話題は新聞各紙や他の資料等では、詳細や問題点がなかなか把握できず苦慮しました。その事情もあって江守氏のサイトを徹底的に読みました。 さて、(あらためて) 

 地球温暖化防止は世界中の喫緊の課題です。これに取り組むわれわれは、世界中の気象機関のデータや各環境保全の組織のデータ、資料、提言、そして何にもましてそれらをまとめ上げるIPCCのデータの数値、資料を読むことをもって取り組みの嚆矢(こうし)とします。そしてそれらを宗教的信条や金科玉条とは離れた見地、即ち科学的知見として我々は最も大切に扱い、敷衍(ふえん)します。(立場、見解が異なる人から重箱の隅を楊枝でほじくられ、誤記を吹聴される運命はある意味では当然のことなのです。だからこそ予算、人員の奥深い事情をお察しますが、データに誤記があってはやはり困るのです。IPCC関係者様!)

 えっ? 締切ぎりぎりで、相も変わらず論旨曖昧な長文を編む筆者が、世界のIPCCに物申すな、ですって?!  実に正鵠(せいこく)を射た、これまた厳しいお言葉を・・・。

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発行元:滋賀県地球温暖化防止活動推進センター   

     電話 :077−524-7168
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